【医師が教える】刺青は入れないのが無難!彫師の現状と刺青除去のリスクについて
2018.11.02
刺青を入れたいと思っている人に知ってほしいことがあります。
ここでは、彫師や刺青を入れるということについてお話したいと思います。
■刺青の彫師とは
刺青やタトゥーを入れたい人の身体にデザインを施していくのが彫師です。
彫師には免許や資格はないため、誰でもなろうと思えばなれるでしょう。
一般的には、有名な彫師や人気の彫師のもとへ弟子入りをして修業を重ね、時期を見て開業するケースが多いようです。
■裁判で刺青は医療行為と認められた
刺青の彫師は身体へ傷をつけます。
しかも、一度入れると一生背負っていかなければならず、失敗してもやり直しがきかないものです。
色素を入れるときに肌のバリア機能が破壊され、出血した部分から細菌やウイルスが侵入してしまう危険性もあります。
また、施術の際に使用する器具の消毒が不十分だった場合、何らかの感染症を患う可能性も否定できません。
このような背景から、保健衛生上、危害を生じる可能性が高いと判断され、平成29年9月に大阪地裁で行われた裁判で刺青をいれるという行為が医療行為に該当するという見解に至り、医師免許がない彫師が行うのは違法だという判決が下されました。
しかし、医師免許を持つ彫師というのを見聞きしたことがない方がほとんどでしょう。
つまり、現状は保険衛生上の不安はありつつも、医師免許のない彫師に刺青を入れてもらうしかないのです。
■刺青除去のリスク
彫師による施術で刺青を入れたものの、失敗や何らかのトラブルがあって刺青を消したい場合、クリニックで除去することができます。
しかし、刺青除去は簡単なことではありません。
現在、刺青除去治療の技術が進歩し、メスを使わずにレーザーを使って刺青を目立たなくできるようになっています。
しかし、レーザー治療は1回の治療で消すことが難しく、複数回通院する必要があります。
また、複数回レーザーを照射しても完全に消えないことも多く、ぼんやり感が残りやすいです。
刺青自体を除去したいのであれば、メスを使った治療がもっとも効果的とされていますが、メスを使うということは肌に治療痕を残すということです。
傷は徐々に癒えていくかもしれませんが、大きな刺青ほど残る傷痕も大きいため、別の傷痕に置き換えるだけというのが実状です。
入れれば治療で消せばよいと思うかもしれませんが、刺青はそうはいかないのです。
ですので、刺青を入れる前に、消したいと思ったときのリスクまでよく考えるようにしましょう。
刺青除去について詳しくはこちら!
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